水と紙 4

1時間におよぶスライドを使った説明の中で、穏やかですが高圧的な態度で歯切れのいい発言をする副社長は、クロフタのシステムの耐用性、信頼性、性能そして市の長期的要求に対する対応性について攻撃しました。


エネルギーを大量に消費すると非難しました。


しかし、最近塩素の副産物で発がん性が疑われ始めているトリハロメタンの除去ができないと言ったのは誤りでした。


また州から大幅な補助を受けることを想定して、クロフタの設備は〈基本的にコストの全流出〉だとまで主張しました。


クロフタの会社は産業界との取引に慣れている、産業界というのはその仕事を果たせさえすれば、できるだけ値段の安い設備を望むものだ、と副社長は言いました。


「あなた方はこの仕事を販売の面から見ている」


・・・とクロフタに向って言いました。


「あなた方はメーカーだ。


我々はこれを公衆衛生の面から、そして長期的に見た市の最高の利益という点から考えている・・・


この件はコスト第一主義であってはならない」。


・・・しかし彼の発言は過去の声にすぎなかったのです。


提案の制定以後、州当局には各地方から援助要求が殺到して、もはや高額なプロジェクトに寛大な約束はできない事態でした。


他の自治体によって、すでに州の水処理プラントの建設資金7千5百万ドルのほとんどが使い果たされていました。


市長は会議を一時中断して、水質協議会に対しこの問題の決定には州の補助は除外して考えるようにと話しました。

水と紙 3

1980年、提案が可決され、ほとんどの州で財産税が思いきって引下げられ、州の業務にもにわかに緊縮ムードが浸透しました。


新市長チャールズ.L.スミスにしても、現行政当局の浪費を攻撃するキャンペーンを張って、ピッツフィールド市長選に思わぬ勝利を得たのです。


しかし、飲料水用の浮遊式浄水機には既存の市場はなく、クロフタがいなければそうした市場が出現したとは思えないでしょう。


ほとんどの革新的なプロジェクトと同様に、それを実現しようとする積極的な行為が生み出した企業家の好機でした。


1982年1月22日、市長および市議会がメトカルフ&エディの役員とクロフタの双方に提案説明をさせる公開集会を開いた時がクライマックスでした。


表向きはピッツフィールド水質協議会の会議の一つですが、この公聴会には論争当事者の役員ほとんど全員が集まりました。


スミス市長は2時間半出席していました。


メトカルフ&エディは同社のピッツフィールド代理人を伴い、りっぱな視聴覚器材をたずさえて現れました。


同社の上級幹部がもう一人成行きを見に来ていました。


また、2日前に市長からの要請を受けて比較的小規模な企業である〈環境と人間に関するハートフォード・センター〉からもコンサルタントが一人、メトカルフ&エディの仕事の査定に来ていました。


しかし、メトカルフ&エディの代表は大衆の感情的指向も政治の動向も理解していなかったのです。

水と紙 2

製紙工場の廃水処理技術を飲用水の浄化に適用するという奇想天外な着想に、ピッツフィールドの役人が賛成して、メトカルフ&エディの調査結果を却下することなどありえないと思いました。


この高名なコンサルタントたちは、クロフタとその補佐役のドクター・ロレンス・ウォンを喜劇役者コンビに見立てました。


2人とも他人が茶化して真似したがるような外国なまりの強いしゃべり方をし、そうでなくとも甚だ風変りに聞える言明にいっそう異様な雰囲気を添えていました。


まるで大伽藍の建造準備のための荘厳で典礼規範に則った儀式の最中に、武骨な男が立上り、彼らが本当に必要なのは避難所だ(隔離された執事用の建物でもいい)、会衆用の折たたみ椅子が数百脚、演壇、十字架とワインを供えるフォーミカ張りのテーブルだと宣言したかのような場違いな感じです。


コンサルタントたちは思いました。


もしビッツフィールドの政治家たちでクロフタの話を聞いて笑わない者がいたら、それは彼の言っていることを理解できなかった、それしか原因はありません。


スライドやチャートを使い、メトカルフ&エディ社副社長が力強くそしてちょっぴり嘲笑的にクロフタの廃水処理設備について意見表明をしさえすれば、その日はそれで何なくすむでしょう、と。


しかし情勢は変っていたのです。


先に水質汚染規制法が製紙工場装置に関してクロフタの販路を拡大したように、その時の大衆の感情的指向は、廉価で能率のよい浄水装置を設置する機会をクロフタに与える方向に動いていました。


決して環境保護法が見捨てられてしまったわけではなかったのです。


しかし、減税もまた〈テクサチューセッツ連邦〉といううがった名で知られる施策で人気を博していました。

水と紙

コンサルタント会社のうち一番名の通ったのはメトカルフ&エディ。


ピッツフィールドの新しい上水処理工場に関してもすでに調査結果を出していました。


それによると、ピッツフィールドの場合、マサチューセッツ州ダルトンに2900万ドルの施設が必要だといいます。


煉瓦造りで、研究所とオフィスのスペース、1日24時間の人員の配置が必要とされます。


あらゆる点で余裕がなければなりません。


赤ん坊が飲んでも差支えない水であって、しかも町全体に広がる火事の消火が可能という需要にも応えられねぼならなかったのです。


輸送関係のストライキが起こって必要な薬品の入手が妨げられる場合に備えて、何週間ももちこたえられる準備が整っていなければなりません。


最も権威ある試験を受け、それに合格した技術のみを採用しなければならなかったのです。


・・・一言でいえば、それは大伽藍でなければならないのです。


国のあちこちに町や市によって建造され、公衆衛生の洗浄式に捧げられる他の大伽藍と同様に・・・。


マサチューセッツの小都市ビッツフィールドで別の見方のできる人間がいようとは、メトカルフ&エディには思いもよらぬことでした。


事業の原動力は・・・

「ものづくり」の哲学は、学校で教えてもらったものでもなければ他社の模倣でもありません。


事業に取り組んで血と汗と涙の結晶がより確かな自信となり言わしめたものでしょう。


そこで改めて「事業とは何か」を考えるとき、ドラッカーのいう「事業とは顧客の創造である」という言葉が実感として浮かび上がってきます。


ドラッカーは1909年、オーストリアで生まれました。


青年時代はドイツ・イギリスで過ごし、1937年アメリカへ渡り、大学教授として哲学・政治学を講じるかたわら経営コンサルタントとして幾多の会社とかかわりを持ちました。


そして、その成果を『現代の経営』と題して1955年発表、一躍著名になりました。


MR転職情報で転職先を探している方なら知っているのではないでしょうか。


その『現代の経営』のなかで彼はこう述べています。


「"事業とは何か"という質問に答えるためには、われわれはまず、事業の目的を考察する必要がある。


事業が社会の一機関である以上、事業の目的は事業それ自身にあるのではなく事業をその機関とする社会の中になければならない。


かくして事業の目的について正しい定義はただ一つしかない。


それは顧客の創造である。


市場は神や自然によって創り出せるものではない。市場を創り出すのは事業家である。


事業とは何かを決定するのは、あくまで顧客である。


顧客が商品またはサービスに喜んで金を払おうとしないならば、その商品やサービスは存在しえない。」


・・・と。


それゆえにチャレンジに値するロマンこそ、事業の原動力なのです。


学問をする理由

一人が学問をするのは、世の中でその責任を果たし、天地間にあってその生を全うするためです。


英学を学ぶのは、世の中でその責任を尽し、天地間でその生を全うする手段として、最も効用が大きいからです。


学問の効用には知識と訓練の2つがあって、前者は普遍的事実を学び、真理を知らせることであり、後者は人類の天分を開発し、固有の能力を伸ばすことです。


後者即ち訓練の効用は、知力的訓練と道徳的訓練の2つに分けられます。


第一直接の目的は、天地間の事実を知り、万物の真理を学ぶにありますが、それでは英学がこれといかに関係するのでしょうか。


そもそもこれらの事実や真理は、人類の長年の経験と工夫により明らかにされ、今では諸記録に残っており、この記録によって後世の者はこれを知るのです。


諸学問の考究発明の結果は、すべて書籍になっています。


いわば、知識は宝庫のようなもので、その庫の鍵があれば、その宝の活用は自由自在です。


英学は、たとえば医学では独逸学に、法理では仏蘭西学に劣りますが、全体的には、この巾の広い英学に及ぶもののないことは明白です。


知識を世界に求め、西洋文明の空気を呼吸しようとしている日本としては、ソファー 通販の仕事をする人も英学をとるのは当然でした。

サンゴスの玉 3

そして、十日ばかりたちまちすぎてしまいました。


その間、寺の掃除もしたり、いろいろ手伝うことでした。


そのうち母のことが思われて、人木は和尚さんにいとまごいをすることになり、そこで、たのまれたことを聞いてみました。


「和尚さん、私がここに来る途中に一軒家があって、そこの亭主から白菊の花が今年は咲かんがどういうわけか、和尚さんに聞いてきてくれということでした。」


「うん。その花ならやすいことじゃ。咲くときは咲くわい、こういえばよろしい。」


「和尚さん、それからまた一軒家に泊ったところが、娘がものをいわんがどういうわけかきいてくれということでした。」


「それもかんたんじゃ。いうときはいうじゃろう、といいなさい。」


「和尚さん、もう一つおしえて下さい。大きな池の大蛇が天竺に登れないがどういうわけか聞いてくれということです。」


「それもかんたんなことじゃ。その大蛇はサンゴスの玉という玉を人間の手に渡せばすぐ天竺に登れるといいなさい。」


こうして三つの難題をみごとにといてもらった人木は、喜び勇んで帰って行きました。


池まで来ると、大蛇が真赤な目を光らせて、特ちかまえています。


「たのみは聞いてきたか。」


「はい、はい。大蛇さん、聞いてきましたからわたしを向う岸まで渡して下さい。渡してくれたらいいましょう」


そこで、大蛇はまた人木を角と角との間に乗せて、向う岸へ渡しました。


「さあ、渡したぞ。早くおしえてくれ。」


「それではおしえましょう。大蛇さん、あんたはサンゴスの玉という玉を持ってあるそうじゃが、それを人間の手に渡せばすぐ天竺に登れると和尚さんがいいましたよ。」


人木がいい終ると、大蛇はがぼうっと水音を立てて池の底にもぐりこみました。


すぐまた現われて、光り輝く美しい一つの玉を人木に渡しました。それはサンゴスの玉でした。


すると、とつぜん、黒雲がわき起って、大蛇はその雲の中にはいって、くるくるくると舞いながら、たちまち天に登っていきました。


大蛇からサンゴスの玉をもらった人木は、大喜びで一軒家までやってきました。


「亭主さん、今でした。」


「それはごくろうでした。ところで娘のことは聞いてくれましたか。」


「はいはい。聞いてきましたよ。娘さんはものをいうときはいうじゃろう、ということでしたよ。」


その晩はそこに泊りました。ところがあくる朝、娘が、


「昨日はおせわになりました」


とりっぱにものをいったのです。亭主はとんと喜んで、


「おやおや、ほんとに娘がものをいうた。これはあんたのあかげじゃ。ありがたい。ところで、あんたはバキイ(婆貴)はいますか。」


「いや、まだひとりもので母と二人くらしています。」


「ほいなア、この娘をもろうてくれんか。」


そこで、人木は片手にサンゴスの玉を、片手に娘の手をにぎって、大喜びで帰って行きました。


やがてまた前の一軒家につきました。すると、亭主が、


「わたしがたのんだことは聞いてくれましたか。」


「はいはい。聞いてきましたよ。白菊の花は、咲くときは咲くわい、といいましたよ。」


その晩はその家に泊りました。


翌日、夜が明けてみると、白菊がいくつもきれいに咲いているのです。亭主はたいそう喜んで、


「これはあんたのあかげじゃ。今まで咲かんのがこんなにきれいに咲いた」


といって、一枝切ってくれました。


人木はサンゴスの玉と娘の手をしっかりにぎり、娘は白菊の花を胸にだいて、二人は喜び勇んでわが家にかえりました。


「おっ母ん、今じゃったよ。ほア、サンゴスの玉に、花嫁と白菊の花をもろうてきた。」


母はたいへん喜んでくれました。


それから、三人仲よく力をあわせて働いたので、今まで貧乏であった人木はいつのまにか金持になって、よかくらしをしましたそうじゃ・・・。

以上、屋久島ツアーで人気のある屋久島の民話「サンゴスの玉」でした。

サンゴスの玉 2

「そんなにおまえがいうならしかたはなか。行たてきなさい。」


翌日、人木は山寺めざして出かけました。山を一つ越えると途中に、一軒家がありました。


その日はもう夕暮れになっていましたので、その家に泊めてもらいました。亭主が、


「あんたはどこに行きなさるか。」


と聞くので、人木が、


「わたしはずっと奥山の山寺に行くところです」


と答えると、


「そいなら、ぜひ和尚さんに聞いてきてもらいたいことがあります」


といいました。


「それは何ですか。」


「じつは、毎年咲いていた白菊の花が今年は咲かんので、どういうわけか聞いて下さい。」


「聞いてきましょう。」

人木は亭主のたのみをひきうけて、翌朝そこをたちました。里をすぎ山を越えて行くと、また日が暮れました。


ちょうどつごうよくまた一軒家がありましたので、そこに泊めてもらいました。


そこの亭主が、また聞き按した。


「あんたはどこに行きなさるか。」


「わたしは奥山の山寺に行くところです。」


「それでは、私のたのみを聞いて下さい。うちの娘がものをいわんようになったが、どういうわけか和尚さんに聞いてきてほしい。」


「よろしい。聞いてきましょう。」


夜が明けると、人木は朝早くその家を出て山寺へ急ぎました。


ところが途中に、大きな池があって、その池を渡らないと向うへ行けません。


人木が困ってしまっているとき、突然、池の水がさかまいて、そのうずまきの中から角の生えた大蛇が、恐ろしい姿で人木におそいかかってきました。


このとき人木がいいました。


「大蛇さん、大蛇さん、ちょっと待ってくれ。わたしを食べるのはやすいことじゃ。わたしはどうしても山寺に用があるので、その帰りにわたしをのんでくれ。」


「そうか。じつはおれはどうしても天竺に登れんが、どうしたわけか山寺の和尚さんに聞いてくれ。


そうしたら、おまえをのまないよ。」


「よろしい。聞いてきましょう。それでは、大蛇さん、わたしを向う岸へ渡してくれ。」


そこで、人木は大蛇の角と角の間に乗って、ぶじに向う岸に渡りました。


人木は、どんどん、どんどん急いで、とうとう山寺に着きました。


和尚さんは人木が来ることをちゃんと知っていて、ごちそうを作って待っていました。


「ああ来たか。ごくろうじゃった。さあ早く上ってゆっくりしなさい。」


人木は山寺に上って、和尚さんからたいへんなごちそうにあいました。

サンゴスの玉

「サンゴスの玉」は、屋久島に伝わる民話です。


むかし、むかし。


あるところに、母と人木という息子と二人、ほそぼそとくらしていました。


人木は山に行ってたきぎ木をとってきて売り、それでくらしをたてていました。


ある日のこと。


人木はいつものように山に行きました。


昼飯どきになったので、持ってきたにぎり飯を食おうと思って見ると、たしかに木の股につりさげておいたのにありません。


どうも不思議でなりませんでしたが、猿でも食ったのだろうと思って、別に腹もたてず、ひもじさをこらえました。


翌日も、木の股につりさげていたら、またなくなっていました。


その翌日も、にぎり飯はありませんでした。


どうも不思議やなあ、と思いながら、たきぎを背負って山をおりて行きました。すると、そのとき、


「こら、こら、人木」


とどこからか声がしてくるのです。


「はい。わたしの名前を知っている人はだれですか。」


人木がこういって、あたりを見まわすと、丈の高いじいさんが杖をついて立っていました。


「わしは、この山のずっと奥山の山寺の和尚じゃ。


おまえのにぎり飯は三日ながらわしがもらったが、おまえは怒りもせず、心がけのよいやつじゃ。


しかしひもじかったろう。悪かったな。じゃが、わしはおまえの心をためしてみたのじゃ。」


「そうでしたか。」


「この山を越え、向うの里をすぎて、ずっと行けば奥山にわしの寺があるから、明日は出かけて来てくれんか。」


「はい。」


そして、たちまち和尚さんの姿は見えなくなりました。


それから急いで家にもどって、人木は母に相談しました。


「おっ母ん、じつはこうこういうわけで、すまないが明日から二、三日ひまをくれないか。


山寺の用がすんだらすぐもどってくるから。」


途上国の開発事情 8

4)農・漁業


農業部門では灌漑、農地改革への総合的な支援(農民組織化、インフラ、信用供与)を実施中。


生産性の向上、流通の効率化・安定化が課題。


5)工業


外国投資の急激な伸びに対し、特別経済区のインフラ整備などを支援中。


中等教育、保健・医療、人口などについては、地方分権のもとでの支援が課題。


7)環境


植林、大気、水、廃棄物対策(特にメトロマニラが大きな問題)、沿岸海洋資源管理などを支援中。


8)社会改革・貧困撲滅


比較的開発の遅れているミンダナオ島の経済・社会復興が不可欠。


貧困対策としては、漁民、少数民族、都市スラム住民への個別の対応が不可欠であり、関連事業実施に際しても十分な社会的配慮が必要。


9)その他


都市部における、土地・住宅政策改善の具体化や雇用創出が緊急かつ不可欠。


同時に、地方振興による大都市への人口集中回避も課題。


行政面においては、地方分権、住民参加による行政サービスの向上などが課題となっており、OECFは開発事業の中で地域共同体・NGOの参加を図る一方、地方自治体での支援にも取り組んでいます。


民活導入については、各セクターとも公共性・中長期化計画との整合性に留意することが必要です。


OEFCもセクターの開発計画に沿った民活事業を支援しています。


具体的には、収益性が低く民間企業が事業家し難い部分を採り上げるなど、民活事業における関連インフラ整備を支援することによって、民活事業とODAとの相互補完関係を目指しています。

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